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ハイセンス賞
「君が思っている以上に僕は好きだよ 全録集」
りゆま加奈様[君が思っている以上に僕は好きだよ]
【カバー】 | カラーカバー/印刷:フルカラー + マットPP + 高精細箔押し(金) |
【表紙】 | 用紙:モダンクラフト 162kg/印刷:1色刷り(こげ茶) |
【遊び紙】 | タント D-52(赤) 70kg |
【扉】 | 用紙:アドニスラフ 63kg/印刷:2色刷り(ゴールド青口、スミ) |
【本文】 | 用紙:アドニスラフ 63kg/印刷:スミ刷り |
Interview
りゆま加奈様に、今作品の誕生したきっかけや装丁の考え方、
発行までのスケジュールをお伺いします!
まずは、今回のご本を作るきっかけを教えてください。
2012年から同人誌で描き始めた「民族BL」というシリーズを、 2022年の描き始めて10年目という節目で一冊の本にまとめたいと思ったのがきっかけです。
使用された加工とその加工を選んだ理由があればおしえてください。
漫画のテーマが「民族もの」なので、表紙全面に金の箔押し加工を施し金刺繍を再現しました。 カバーはマットPP加工なので、手触りも良く箔押し部分との差が出てさらに印象深くなったかなと思います。
450ページというかなり分厚い本になるので手に持って読んだときに手首に負担がかからないよう、軽くて質感のある紙を取り寄せていただきました。 見た目の分厚さのわりにかなり軽くなっています。 軽さももちろんですが手触りやページ捲りもよく、印刷もきれいでいい紙を選べたなと思います。
金色で豪華にしたいという思いがあったので扉も金インクとスミの2色で印刷しています。 扉から本文へ流れるような導入にしたくて扉の用紙は本文と同じものにしました。
今回のご本はどのようなスケジュールで進められましたか?
本文で使いたいと思った紙が緑陽社さんでは普段お取り扱いがされていないものだったので、まずは取り寄せをしてもらえるかの確認から始めました。 じっくりと全体の仕様を決めたいと思い、半年ほど前からご相談をさせてもらい担当の方とやり取りを重ねていきました。 あーでもない、こうでもない、やっぱりこうしたいですという二転三転する私の要望にも親切に応えてくださりました。 半年間という時間を取ったことで今までで一番納得のいく本に出来たと思います。 ご相談を始めてから本の完成までの間に紙の大幅な値上がりなどがあり、とても大変でしたが最初から最後まで親切丁寧にご対応していただき感謝しかありません。 本当にありがとうございました。
今回のご本のような装丁で同人誌を作ってみたい!とお考えの方に向けて
メッセージをお願いします。
オプション盛り盛りで本を作りたいと考えているのでしたらまずは早めの相談が大事ですね。 半年という期間を設けて本作りをしましたが、やってみたかった小口染めなどは締切の関係で諦めたりもしたので「もっと時間が欲しい!」と何度も思いました。 締切や納期の相談、確認は大事ですね。
最後にひとことお願いします!
この度はハイセンス賞に選んでいただきとても光栄です。 今回の経験を活かし次に作る本も楽しいものにしたいです。 ありがとうございました。
Staff Comment
遠くからも目に飛び込んでくる、キャラクターの視線と輝く箔押しに心を射抜かれました。 衣装の文様を表紙・背・裏表紙に広範囲に高精細な箔押しで再現したカバーは、豪華で荘厳な雰囲気を演出しています。 カバー、遊び紙をめくっていくと、物語のキーとなる「狼」のイラストが印象的な始まりを飾っています。 本文にはオムニバス形式の物語が収められており、各物語の冒頭には空の額縁が描かれ、次に何が待っているのかと想像を掻き立てられます。 450ページの超大作は、表紙の重厚さも相まって存在感バツグンですが、嵩高紙の「アドニスラフ」を本文に使用することで、驚くほど軽く、読みやすい本となっています。 全録集として10年間にわたる作品が丁寧にまとめられており、何度でも読み返したくなる一冊です。 また、美麗な絵柄と物語の世界観に加え、装丁が美しくかみ合っており、卓越したセンスが溢れる一作となっています。 特別な節目の御本の印刷に携わらせていただき、ありがとうございました。りゆま加奈様の作品ご購入情報はこちら
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