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  • 第12回本フェチ大賞 準大賞「三千世界の鴉を殺し、主と添寝がしてみたい上/下」エコー様「どこにもない庭」

準大賞
「三千世界の鴉を殺し、主と添寝がしてみたい上/下」
エコー様「どこにもない庭」

圧倒的な重厚感とインパクト!2冊の重みをじっくりかみしめて楽しめる豪華総集編

仕様
ブックケース 用紙:NEW-DV 310g/印刷:4色フルカラー/加工:クリアPP/2ポケット型
カバー 用紙:ハイマッキンレーアート135kg/印刷:4色フルカラー
加工:マットPP+箔押し(レッド)
【表紙】 用紙:テンカラー 漆黒 215kg/印刷:1色刷り(シルバー)
【本文】 用紙:淡クリームキンマリ 62kg/印刷:スミ刷り

Interview

エコー様に、今作品の誕生したきっかけや装丁の考え方、
発行までのスケジュールをお伺いします!

今回のご本が生まれたきっかけは何でしょうか?

このたびの本の内容は、五年間ウェブで書き続けてきたシリーズの総編集となります。

はじめは文字数(※総文字数約100万字越)の関係から、製本化は難しいだろうと考えていましたが、同人誌発行の経験を積み、なんとか感覚が掴めてきたと思えるようになって、ようやくこの長いお話をまとめる勇気が出ました。

原作ゲームのサービス開始当初に書き始めたお話で、大変思い入れのある作品だったので、
長い間ずっと自分を支えてくれていた原作への愛や感謝を目一杯こめたつもりです。

使用された紙・加工と、特にこだわりを持った部分があれば教えてください。

内容が終始薄暗く、鬱々としており、かつ桜がキーポイントになるため、 『地獄のような春』をテーマにデザイナー様に全体のデザインをご相談しました。

表紙・カバー・ブックケース・本文(疑似小口染め)の印象をすべて黒で統一し、内容の暗さが滲み出るような不穏な雰囲気でまとめています。

カバーはフルカラー印刷、タイトル部分は「高精細箔押し(レッド)」です。
表紙は、深い黒が特徴的な紙に、銀刷り(1色刷り)で印刷しています。 上下巻どちらも600P強ある本のため、表紙には強度のある厚い紙を探していました。 緑陽社様にご相談したところ、いくつかの候補と見比べて検討できるよう用紙見本チップをお送りくださり、最終的にその候補の中から「テンカラー 漆黒 215kg」を選びました。

ページ数の多い本なので、捲りやすさを重視し、本文用紙には「淡クリームキンマリ62kg」を選択しました。
読みやすさという面では、やはりページ数の関係から、ノド側に文字が食われないよう組版は何度も組み直しています。 特に、疑似小口染めにした分、余白の確保には気をつけました。

ブックケースは2ポッケタイプの観音開きにすることで、開いて見える部分でも黒を主張し、全体のイメージを印象づけています。

今回のご本はどのようなスケジュールで進められましたか?

2月:デザイナー様への依頼

3~4月:本文の全文読み直し作業開始

5月:比較検討のため印刷所各社様への見積もり依頼

6月~7月:本文校正、誤字脱字チェック

8月:緑陽社様への見積もり依頼(再)

9月:仕様確定・束見本入稿

10月:表紙、カバー、本文、ブックケース入稿

11月:納品

今回のご本のような装丁で同人誌を作ってみたい!とお考えの方に向けて
メッセージをお願いします。

製作にあたり、デザイナー様や緑陽社様とのやり取りなど、 半年以上もの間、多くの方々にご助力いただき無事発行することが叶いました。

緑陽社様に製本をお願いした理由は、最初にお見積もりをお願いした際、 お返事が丁寧で、かつ詳細な補足説明などの細やかなご親切が印象的だったためです。

実際、加工やプランのご相談にも親身に乗っていただき、 こちらのミスにも柔軟にご対応くださって、とても助かりました。

人によって印刷所選択の基準はさまざまかと思いますが、 作るのに勇気のいる本をお願いするにあたって『安心』を重視する場合、 今後は緑陽社様をおすすめしていきたいです!

人様のお力をお借りできることの有り難さを実感したので、 気になる装丁があればぜひ一度、お見積もりやご相談など検討されてみてください!

最後にひとことお願いします!

このたびは、栄誉ある賞をいただき誠にありがとうございました。 清水の舞台から飛び降りるような気持ちで作った本が、このような形で 目に留めていただける機会にまで恵まれ、とても嬉しく、光栄の至りです。

素敵な装丁が並ぶ紹介ページのなかに並べていただけて幸せでした。 緑陽社様をはじめ、お力添えをいただきましたすべての方に、心より感謝申し上げます。 ありがとうございました。

Staff Comment

この作品は、2015年から2020年まで5年の長きにわたり記された作品の総集編と、その外伝・番外編の2冊構成になっています。 「地獄のような春」というテーマを貫くように、表紙はテンカラー漆黒という深みのある黒い紙を使い、カラーカバーも黒を基調としたデザインで統一されています。本文も枠を黒で縁取ることで、紙の白さと明るさを覆い隠し、作品のイメージを揃えています。

この作品を手に取った方の多くは、まずその重さに圧倒されるのではないでしょうか。 この重さはこの地球の重力で引き寄せられることによる質量だけではなく、作者様が作品を紡がれる日々のなかで注がれた愛の総量がなせるものではないかと感じずにはいられません。

このサイトでご紹介できるのは作品の一部分ではありますが、作品の荘厳さを少しでもこのページでお伝えできますと幸いです。

▼ 第12回 受賞作品 ▼


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