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デザイン賞
「I SEE YOU-愛しキミへ-」
サミアド様[砂場に集合!]
【カバー】 | 用紙:きらびき 白 HG-135/印刷:4色フルカラー |
加工:高精細箔押し(金、ブルー) | |
【表紙】 | 用紙:キュリアスIR ホワイト 206.5kg/印刷:1色刷り(ブルーブラック) |
【口絵】 | マットコート 110kg/印刷:フルカラー4C/巻頭 |
【本文】 | 用紙:コミックルンバ ホワイト 84kg/印刷:スミ刷り |
【製本】 | 無線とじ |
Interview
サミアド様に、今作品の誕生したきっかけや装丁の考え方、
発行までのスケジュールをお伺いします!
今回のご本が生まれたきっかけは何でしょうか?
結婚をテーマにしたアンソロを企画していたため、
結婚式の華やかさと扱うキャラクター達の持つ清廉さの両方を表現する装丁を
作りたいと思ったのがきっかけでした。
総勢15名の方に執筆していただく記念すべきアンソロだったため、
いつまでも手元に置いておきたくなるようなデザインや本自体の耐久性など
あらゆる角度で考えました。
また、200P超えの本だっため、普段できない加工にチャレンジしたい気持ちもあり、
かなり意気込んで作り始めた本でした。
使用された紙・加工と、特にこだわりを持った部分があれば教えてください。
結婚式のサムシングブルーと扱うキャラクターが所属する寮カラーの両方を連想させる
濃い青色を基調にデザインしました。
こだわりは金と青両方の高精細箔押しをカバー表紙全面に施したことです。
かなり細かい柄でオーダーしましたが、見事に再現していただきました。
更に、見た目の重厚さを加えるため、カバーにはきらびき白HG-135の特殊紙を使用しました。
二種の箔押しとニュアンスのある特殊紙カバーを組み合わせることによって、
中世の装飾本のような豪華さとクラシカルな雰囲気が両方表現できたと思います。
カバー表紙を捲った先の表紙にはキャラクター二人の結婚までの軌跡を描いたイラストを
シンプルな一色刷りにし、カバー表紙との違いを出しています。
本文はコミックルンバホワイトを使用し、200Pを超える本でも重くなりすぎず、
且つ背幅を出すことができました。
表紙と本文合わせて一番気をつけたことは、青・金・白のバランスです。
結果、豪華さと重厚さはあるけど重くなりすぎない印象の装丁に仕上がったかと思います。
今回のご本はどのようなスケジュールで進められましたか?
2022年の8月頃に企画を考え始め、9月に執筆者さんにご依頼しました。
そして大体の装丁の仕様やページ数が決まってきた2023年1月に緑陽社さんに
見積を依頼しました。
そこから何往復か装丁についてメールにてご相談をさせていただいたり、
箔押しの見本を取り寄せて細部を詰めていきました。
3月頭には執筆者様たちの原稿を集めて内容のチェックを重ね、
3月下旬にカバー表紙、表紙、本文共に入稿、5月の上旬に納品していただきました。
今回のご本のような装丁で同人誌を作ってみたい!とお考えの方に向けて
メッセージをお願いします。
今回の本のように複数のオプションを使用したい場合は早めに仕様を確定して
まずは見積とご相談をすることが大事だと思います。
私の場合は最初の相談時にイラスト部分だけラフ段階のカバー表紙データを
送っていたのですが、返信時に赤入れ(この細い線だと箔押しが再現できない可能性がある
などのご指摘)をしてもらいかなり助かりました。
そこから調整していって細部を詰めたので、早めに相談してなかったら危うかったなと
思います。
何回も使用するオプションを変更して相談を繰り返してしまったのですが、
親身にご相談に乗っていただき、印刷前の不安なども解消されたのでその点でも
ご相談して良かったなと思いました。
また、使いたいオプションフェアや早割などもある場合更に締め切りが前倒しになり、
そのあたりも考慮して動き出す必要があるので、早めの動き出しは大事かと思います。
最後にひとことお願いします!
自分が思い描いた理想の装丁を作って手にできるというのは達成感もあり、
とても素敵な体験でした。
それを実現してくれた緑陽社さんには感謝と尊敬の念でいっぱいです。
また、アンソロ企画で寄稿していただいた皆さんや校正に協力していただいた方々など
たくさんの方の力を借りて本を作り上げることができ、今回の受賞にも繋がったと思うので、
皆さんに感謝を伝えたいと思います。
改めまして、今回は素敵な賞をいただけて本当に嬉しいです!ありがとうございました!
Staff Comment
結婚をテーマにしたこちらの作品は、特別な雰囲気と気品にあふれています。遠くからでも目を引く、輝く2色の箔押しに一瞬で魅了されました。
カバーには繊細なパール光沢が輝く特殊紙「きらびきHG」が採用され、
全面に「ブルーとゴールドの高精細箔」が施されています。
美しく輝く箔にはキャラクターに関連するモチーフがちりばめられており、
これは二人のために作られた特別なデザインなのだと、作家様の愛を強く感じました。
全体の配色のバランス感覚が特に素晴らしく、クラシックで重厚なデザインと繊細な箔押し、
中央に描かれた幸せそうな二人のイラストが見事に調和しています。
本文は白を基調とした結婚というテーマならではの優雅でゆとりあるレイアウトで統一されています。
まるで読者も結婚式に参列しているような気持ちになれる、いつまでも眺めていたくなるような美しい御本です!デザイン賞の受賞を心よりお祝い申し上げます。
▼ 第13回 受賞作品 ▼