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Merveilleux
いつき様 [H&I factory]
受賞コメント
- いつき様
装丁の参考に、といつも拝見させていただいておりました。大賞受賞とのご連絡をいただき、大変光栄でございます。
今回再録を発行するにあたり、キャラのメインカラーを取り入れた装丁を何かできないかと考えた結果、
「チョコレートの箱に赤いリボン」というコンセプトに辿り着きました。
そしてフランス表紙を自分で加工すれば箱っぽくできるのでは?と思い当たり、
外見をいかにそれっぽくするかにひたすら拘り抜き、試行錯誤の結果半年かけてこの装丁に落ち着きました。
高級で美味しそうなチョコレートの箱が完成したと自画自賛しています。
もう一つのコンセプト、「口絵のイラストと実際のリボンが繋がるように」するために穴の位置に合わせて
イラストを調整していたので、ぴったり合った時には感動しました。綺麗な印刷と丁寧な作業、高級感溢れる仕上がり全てに大変満足しております。
ありがとうございました。
今後作りたい本
本の内容とつながるような、内容だけでなく装丁も楽しめるような、
そんな本が作れたらいいなと思ってます。
- 審査員コメント
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大賞に輝いたのは、高級チョコレートのように上品な魅力あふれる一冊です。
始めの印象は“豪華な本”。ですが、本を手に取ってただの“豪華な本”ではないことに気づきます。ケースに見える外観は、フランス表紙の冊子に作家様の手作業で「断裁・折り・穴あけ・リボンつけ」をするという、枠にとらわれない自由な発想力と、コンセプトを形にしたいという熱い想いによって生み出されています。
リボンを解いて表紙を開くと美しいイラストが現れますが、このイラストも、カラー口絵と表2-3印刷を組み合わせるアイディアで、折込ポスターのような見応えを演出しています。赤い糸が本物のリボンへ繋がる仕掛けや、本文色刷を使った疑似小口染め、さらにはお手元でチョコレートの香り付けを行うなど、作品の隅々までこだわりが詰まっており、いつき様がいかに丁寧に、愛情をかけて作られた作品なのかが伝わってきました。
装丁のテーマを加工で再現するセンス、非凡なアイディア、本づくりへの情熱、すべてに心からの称賛を送ります。