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  • コロナ禍アンケート結果発表(2/2)

2020年11月22日 公開

Q8. WITHコロナと言われますが、その時代の同人イベント(即売会)のあり方について ご意見がありましたら自由にお書きください。

今後の同人イベントのあり方や、それに関連して冊子の販売形態など、
様々な観点からのご意見がありました。

リアルイベントとオンラインイベント

現状のところオンラインイベントは、どうしてもリアルイベントほど開催規模が大きくありません。
しかし、コロナ禍だからこそオンラインイベントが開催され、注目されたとも言えます。全国どこからでも参加しやすいという利便性もあり、期待が高まっています。

確かにオンラインでのイベントはコロナ感染のリスクはないが、必ず対面でのやりとりに戻るはずだと思う。
同人活動の基本は対面での熱の共有にあると思うので、そこだけは何が何でも変わらずにあってほしいと考えている。

オンラインイベントは対面イベントの互換にはなり得ないと思う。同人誌を手に入れるためではなく、即売会の空間にお金を払っている側面もあったため、オンラインでそれを補えない限りは通販サイトで良いかという気持ちになる。

オンラインでは消化不良と書きましたが、だんだんとこの方法がメジャーになるのかなとも感じました。 特に遠征組は今までより簡単に参加することができるため、コロナの件以外にもメリットがあります。

紙の書籍と電子書籍

オンラインイベントの登場と時を同じくして、電子書籍への注目も集まっています。ただ、「紙の本」を作りたいという方も数多くいらっしゃるようです。

「オンライン」と「電子」がこれからの鍵になると思う。二次創作の場合は許諾の有無によってとても難しい部分もあると思うが、これまでの通りの紙媒体以外の方法も発展させるべきだと思う。

やはり本の形になっているものが好きなので、DL販売への移行などで本が出なくなるのは寂しいです

今後の同人市場について

リアルとオンラインのいずれか一方が絶対的に優れているというわけではなく、それぞれにメリット・デメリットがあります。今後は互いの長所を生かして伸びていくことに期待するという意見が多くありました。

新しい時代の同人市場を活性化するには、イベント主催者、サークル、一般参加者、印刷所、書店などあらゆる分野の関係者が一丸となって模索していく必要があると改めて感じます。

楽しむことをやめないことが大事だと思います。イベントがなくても、自分なりのモチベーションを保つ方法を模索していく必要を感じています。新しい生活様式の中で、新しいサークル活動の形を、私たちも受動的ではなく能動的に探して行かねばなりません。

ご時世に合った、合わせていく形でのイベントであればいいと思う。 切り替え時は大変だけど、それも一つの形だと思っています。

Q9. 「新型コロナウイルス感染症」の影響をうけ、イベント合わせではなく、他の方法で新刊を発行したことがありますか?
もしくはする予定がありますか?(複数回答可)

44.8%
41.9%
5.8
%
25.2%
8.3
%
44.8% 同人誌専門書店
41.9% 自家通販
5.8% 電子書籍
25.2% イベント以外で頒布予定はない
8.3% その他
 結論 

「同人誌専門書店」が最も多く44.8%、次いで「自家通販」が41.9%、「イベント以外で頒布予定がない」方が25.2%です。印刷でなく電子書籍で同人誌を発行するという方も5.8%いました。
多くの方が同人誌専門書店、自家通販またはその両方で新刊を発行している、または発行予定があるという結果になりました。

Q10. 「新型コロナウイルス感染症」流行以降、同人誌専門書店へ委託している作品の売れ行きに変化はありましたか?

1.9% とても増えた
12.2% 増えた
32.6% 変わらない
14.1% 減った
5.9% とても減った
33.2% 以前から書店委託は行っていない
 結論 

「以前から書店委託は行なっていない」が最も多く33.2%、次いで「変わらない」が32.6%でした。
コロナウイルスの流行以降も、同人誌専門書店での作品の売れ行きは変わらないという方が多い結果になりました。
作品の売れ行きが増えた方は12.2%、減った方は14.1%と、どちらも似た割合となりました。

Q11. 「新型コロナウイルス感染症」流行以降、「同人活動」に充てる時間に変化はありましたか?

5% とても増えた
13.1% 増えた
32% 変わらない
27.5% 減った
22.3% とても減った
 結論 

「減った」「とても減った」の2つの回答を合わせて49.8%と、約半数の方が同人活動に充てる時間が減ったという回答になりました。

その一方で「変わらない」も32%と多く、社会が混乱するなかでも、同人活動が生活の支えになったという方も多かったものと思います。

Q12. 「新型コロナウイルス感染症」流行以降、創作意欲に変化はありましたか?

4.8% とても増えた
9.8% 増えた
35.3% 変わらない
31.2% 減った
18.9% とても減った
 結論 

「減った」「とても減った」の2つの回答を合わせて50.1%と、約半数の方が創作意欲が減ったという回答になりました。
同人イベントの各地での開催中止や県外移動の自粛が影響しています。

Q13. 「新型コロナウイルス感染症」流行以降、オンラインでの同人仲間・同人コミュニティの交流頻度に変化はありましたか?

4.6% とても増えた
15% 増えた
52.7% 変わらない
18.9% 減った
8.8% とても減った
 結論 

「変わらない」が最も多く52.7%、次いで「減った」が18.9%でした。
アンケートの回答の約半数以上が同人仲間・コミュニティの交流頻度は「変わらない」という回答をいただきました。

Q14. コロナ禍の今だからこそ行っている、同人活動における工夫やアイデアがあれば教えてください。

創作モチベーションの工夫

モチベーションを保つために以前より積極的にアニメや漫画を摂取するようになりました。
サンプルやあらすじなども以前より手をかけて期待値を高められるようにはしています。

ホテルに泊まってリモートでオンライン原稿会を開催したり、交流する機会を増やしてその勢いで作品を作ったりモチベーションを保ったりしています。

創作の配信をする事がかなり増えました。自分自身のモチベーション上げにも繋がるし、何より他の作家さんの作業風景が観れるのはとても面白く勉強になるなと思います。

漫画や小説など本を読んでインプットを増やす、次の入稿のため 原稿作成に活かしていくというご回答が多かったです。 Zoomを利用したリモートでのオンラインの交流、YouTubeでお絵描き配信をする といった直接会いにくい今だから出来る創作のモチベーション向上の工夫がありました。

SNS、宣伝方法の工夫

見本を手に取りづらい場合向けに、サンプル直通のQRコードを作りました。

手に取って見ていただくことができないので、新作のサンプル画像や、 画像の説明は、なるべく詳しく伝わるように心がけています。

コロナ禍でSNSを使い積極的に宣伝をするようになったというご回答が非常に多かったです。
「ネットにアップするイラストや漫画の枚数を普段よりも多く公開している」、「オンライン上の同人イベントを機会に書店委託をするようになった」、「プロモーション用の動画を作っている」等の工夫がありました。

新刊を発行するための工夫

イベントに参加する費用や交通費が自家通販だけならかからないので、本の装丁などそういうところにお金を使えるのはいいかもと思いました。思い切って今までしてなかったようなオプションつけたり楽しんだりしています。

アンソロを企画しています。イベントが無くてもお祭り感が出ますし、個人で出すより部数も刷れるので経済的にもお得です。

エアコミケ、エアブーといったオンライン上の同人イベントに参加をして、〆切を自分で作る事で新刊を出すといったご回答をいただいています。
今だからこそ一冊の品質にこだわり、「ページ数を増やして書き溜めている」、「特殊加工を使った装丁のアンソロジーを企画している」という方は多くいらっしゃいました。

おわりに

今回のアンケート結果を拝見し、新型コロナウイルス感染症がサークル活動に
多大な影響を与えていることを改めて痛感いたしました。

予定されていた同人イベントが相次いで中止・延期となり、
イベント会場で同人誌を頒布する機会が失われたことは新刊発行の機会が減る原因になりました。

しかしながら2020年11月現在、イベント主催者様を中心とした
数々の努力により徐々に活気を取り戻しつつあります。

また新たな創作の発表場所として、オンライン上での同人イベント(即売会)の開催が
多く見られるようになりました。

まだコロナウイルス感染症の収束が見えない現状ではありますが、
皆様の創作にかける想いをこれからも支えていけるように、緑陽社スタッフ一同尽力いたします。

ここまでお読みいただいた皆様、アンケート回答にご協力いただいた皆様、
大変ありがとうございました。

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