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【多色刷りの世界Ⅱ】多色印刷のズレってどの程度?
「見当を付ける」「見当が外れる」という言葉があります。
もともと、浮世絵で刷色を何色も重ねる時に、版を合わせるカドの目印を「見当」と言いました。
一節によると「見当」を考え出したのは、かの平賀源内だそうです。
転じて、未知の事柄について立てた見込み、予想のことを「見当」と言うようになったそうです。(※N●Kの受け売りです。)
しかし印刷の世界では、「見当」はいまだ現役で「刷り合わせの目印」のことを指します。多色刷りでオペレーターが最も気にすることの一つが「見当ズレ」です。
◆「見当ズレ」について
通常、緑陽社で多色刷りを行うのは2色印刷機です。
インキつぼが2つあり、1回印刷機を通すと一気に2色を印刷することができます。
(ちなみに、当社のフルカラー印刷機は6色まで一気に印刷できます)
この2色機は小さな紙にも印刷できたりインクの色替えがすばやく出来たりと小回りが効くところが魅力です。
しかし機械の性質上、フルカラー印刷で使う大型オフセット機のような精密な見当合わせができません。
印刷機を通っている間に紙の位置が僅かにずれ、ものによって「見当ズレ」が起こる場合があります。
見当ズレが起こると色の境目に隙間が空いてしまったり、細い線がダブってしまうことがあります。
では、どの程度の見当ズレが起こるのかというと、紙や状況に依りますがおおよそトンボ1本分≒0.1mm程度です。(髪の毛1本分)
この見当ズレ目立たないようにするため、「トラップ(僅かな色の重ねの部分)」の作成をお勧めしています。
当社の場合600ppiでのトラップの幅は2pixel程度でお願いしています(1pixelでは小さ過ぎます)
→トラップの作成についてはこちらもご参照ください。
◆「白止め」と「見当ズレ」の関係
白止めを行う場合、1回通しでインキを重ねると色が混ざってしまうため、最初に白インクを印刷し、乾燥させてからさらにもう一度………計2回印刷機を通す必要があります。
そうすると、白インキが乾燥する際に紙も伸縮するため、1回通しの場合よりもさらに大きく見当がズレる可能性があります。
「発色優先」か「ズレ回避」か……あちらを立てればこちらが立たない、何とも難しいところです。
なお「どうしても精密な見当合わせがやりたい!」という時はぜひ事前にご相談ください。紙が大きくなってしまうためお値段が割高になりますが大型印刷機仕様で別途お見積いたします。
※大型機でも表1と表4等離れた部分の合わせについては見当ズレが発生する場合もありますので、デザインも合わせてご相談いただくと良いかと思います。
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