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【こだわりの作品に!】「束見本」はこんなときに作られる!

皆さんは「束見本(つかみほん)」をご存知でしょうか?

こだわりの作品や、特殊な装丁を行う際に、登場するのが束見本です。
今回は、束見本がどういうものなのか、どんな役割があるのかを説明します!

1.束見本とは?

束見本は、実際の製本時と同じ仕様・製本機で製作された「製本サンプル」です。

本番と同じ用紙を揃えて、印刷していない白紙のままで製本します。
本の束(厚み)や重さなどを正確に把握するため作り、実際の仕上がりイメージも確認できます。

2.どんなときに束見本を作るの?

さまざまな目的で作られる束見本ですが、同人誌印刷や、弊社で実績の多い「作成例」をご紹介します!

(1)ブックケースを作るとき

ブックケースを作ったのに、本が厚すぎてケースに入らない…なんてことがあると困りますよね。
それを防ぐために、束見本を作成し、正確な本の厚みを測ります。
そして、束見本の厚みをもとに、ちょうどよいケースサイズを決めていきます。

1つのケースに2冊の本を入れる場合は、2冊とも束見本を作成します。

★ブックケースのベストサイズ…
ブックケースの穴を下に向けたときに、本が自然とゆっくり落ちてくるのが理想のサイズです。

束見本をもとにケース用の型を作成しますので、「冊子仕様(ページ数・部数・紙など)」はブックケースの〆切よりも早く決める必要があります。
仕様確定後にページ数が増えてしまうと、ケースに入らなくなる可能性がありますのでご注意を!
逆に減ってしまうと、ケースがブカブカになって、すぐに本が抜けてしまいます。

製造の流れとしては、
『冊子仕様確定→ ★束見本作成★ →束見本にあわせてケースサイズを測定
→サイズにあわせたデータをご入稿→製造開始 』となります。
冊子の仕様確定が、入稿〆切よりも早くなるのがポイントですね。

(2)フィルムカバーを作るとき

フィルムカバーは、背や袖の折り部分に「スジ押し」を行うため、事前に束見本を作成し、正確な本の厚みを測ります。
こちらもケース同様、カバーの〆切よりも早く冊子仕様を確定する流れとなります。

★スジ押しとは…
紙やフィルムにスジを入れ、折り曲げやすくする加工です。

(3)「背幅」を確認したいとき

本文用紙の紙厚は一般的に0.65~0.20mm程度ですが、使う紙の枚数が多いほど《0.01mm》が大きく影響して、紙厚からの見込計算と実際の背幅の差が広がり、数mmに及んでしまう可能性があります。

そのため例えば1,000頁以上の分厚い本を作成するときは、見込計算だけで背幅をご案内できません。
実際の製本ラインで作成した束見本から、実際の背幅を測定してご案内します。

その他、常備用紙以外の本文用紙をお取り寄せされる場合、「自動見積&予約システム」で背幅概算を自動計算することができないため、背幅確定のために束見本を作ることがあります。

※ 常備本文用紙の背幅は自動見積&予約システムで自動計算できます

(4)「開きやすさ」を確認したいとき

ノドに近い位置まで絵柄が入ることが予想される場合などは、事前に束見本を作成して開きやすさを確認することが可能です。
ページ数の多いアンソロジー・総集編や、常備用紙以外の本文用紙をお取り寄せされる場合に製作することがあります。

(5)その他

・「重さ」を確認したいとき
「三方色付(小口染め)」の色を確認したいとき
・目的は変わりますが「印刷なしのノート」を作りたいとき
→「コミックルンバ84kg ピンク/ブルー」など色つきの紙を複数使うこともできます

3.束見本の作成依頼方法

実際には、装丁のご相談を進めるなかで、束見本の必要性を弊社からご案内するケースが多いかと思いますが、束見本作成をご希望の方は、まずはお気軽にご相談ください。

「カスタムコース」より束見本を作りたい旨と希望の仕様をお知らせいただければお見積いたします。

ご依頼の際は、束見本を作る「目的」をあわせてお知らせください。
目的によって、お見積やご案内内容が変わる可能性があります。

★お見積~ご発注にあたって★

○「仕様確定」のポイント
製本機やその機械の設定によって、本の仕上がりは変わります。
そのため、背幅など寸法が重要な束見本は、本生産時と同じ製本機で作成します。
本生産のご発注内容によって、使用する製本機を決定するので、束見本作成時までに、ページ数・部数の確定が必要になります。

○「入稿スケジュール」のポイント
本生産をふくめ、確実な入稿スケジュールでご相談ください。
当初の予定からご入稿が大幅に遅れてしまうと、本生産時に同じ製本機の予定が取れず、その結果、束見本と仕上がりが変わってしまうことも…! 注意が必要です。

○その他
・各種割引はご利用いただけません。
・他社様でお作りになった束見本と完全に同じように作ることはできませんのでご了承ください。
・本生産分発注時には「束見本作成済み」の旨をお書き添えください。

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